2023年の1月から建設業許可の電子化がスタートします。
ちなみに大阪府や京都府、兵庫県などは従来通りの対応です。
(経験上、特に大阪府は慎重派で、電子化は都道府県でも最後の方になると予想。)
ときおり電子化で仕事が無くなると煽る記事を見かけますね。
東京などの大手法人がネット広告でクライアントを根こそぎ掻っ攫っていくとか。
電子化すれば行政書士が関与しなくても申請できるからお払い箱とか。
実際のところ、如何なのでしょうかね。
不安を煽り自分達の商品を売りつけるポジショントークか。
もっともこの記事も行政書士側のポジショントークなのですが。
先に電子化が進んでいる在留資格など入管申請。
電子申請で仕事が減ったとは寡聞にして聞きませんし。
添付資料が多くなると、従来通りの窓口申請になります。
(1申請で送信可能な容量が5メガと非常に少ない)
配偶者ビザ関連の写真を多数提出する案件は、窓口申請になりますね。
話を戻しますね。
個人的には建設業許可の仕事が無くなるとは思えないです。
理由は幾つかあります。
まずは許可要件が簡単になった訳では無いです。
書類をネットで送信できる様になっただけです。
これだけでも南港に行く手間が掛からない分、有難い話ですけども。
添付書類の一部はネット内で完結できるので、行政書士的にも有難い話ですかね。
(実際に稼働していないので、どうなるかは不明だけど)
それこそ確定申告並みに、確認資料や添付書類一切なしで受け付けるなら話は別ですけども。
そうなると…
許可制度は形骸化すると思います。
建設業法が目指す所が達成できなくなるかと。
行政書士的には、書類の作成は本当に一部分に過ぎません。
行政書士は申請書の空欄を埋めるだけではないです。
本当の仕事は要件と申請者のすり合わせ作業です。
要件を満たしているか、要件を書類に落とし込めるか、
要件を満たしていない場合は、どうすれば良いのか?
これらを考えるのが行政書士の仕事です。
それが仕事の片手間に出来るならば、電子化以前に行政書士業務から消えています。
次に電子申請の方が難易度が高くなると思います。
全員が全員、ネット申請に対応できる訳では無いです。
ぶっちゃけ事務系の仕事以外の人はPC作業が苦手な傾向があります。
(仕事でPC使わないと全然分からなくなります。)
家でエクセルやPDFを加工する人は、ほぼ居ないと思います。
自宅で使うのは、YouTube動画やTwitterなどのSNS位では無いでしょうかね。
また役所が提供するシステムは、非常に使い勝手が悪い面があります。
感覚的な操作とは程遠いのが現実です。
あと建設業許可や宅建業免許は、意外と手書きの申請書が多いです。
またご自身でされる場合、窓口で聞きながら作成していた人にとっては悲惨です。
窓口が無くなれば、聞きながら申請できなくなるのですから。
メールで送信しても、返信は数日後とかになる可能性が高いです。
役所の性質上、苦手な人を切り捨てる事ができません。
電子申請でも窓口は残り続けるでしょう。
(縮小はされると思いますが)
建設業許可の全国展開も現時点では難しいかと。
都道府県ごとのローカルルールや添付書類の確認。
新規許可や業種追加など添付書類が膨大にある物は、zoomで確認するのは負担が大きすぎます。
それ以前に顧客が嫌がるでしょうし。
経審が絡まない決変や単純更新なら可能かもですけど。
とりあえず思いついた事を書いてみました。
異論は認めます。
今日はここまで。