こんにちは元コンビニ店長の行政書士です。
今日は私のコンビニ経営から学んだ教訓を一つお話したいと思います。
必ず逃げ道を確保すること
・実際の経営は事業計画どうりには進まない。
・たとえ事業が軌道に乗ってもちょっとした環境の変化で、すぐに業績は傾く。
・背水の陣を敷いて決死の覚悟で事業を行っても、再起不能なほどのダメージを受けてしまっては元も子もない。
・逃げ道を確保することで最悪の結果を回避できれば再度、挑戦することが出来る。
どれほど精緻な事業計画を立てても、計画どうりに事が進むことはまずありません。

何事も計画通りに進まない。
所詮計画は自分の頭の中で考えたものであって、現実は予想を遥かに超えて行きます。
例えばコンビニを開店する際には、開店予定地のことを徹底的に調べます。
一年で1000件以上、コンビニを開店させるコンビニの本部には膨大なデータやノウハウを有しています。
百戦錬磨の彼らでも予測を外します。
コンビニを始めとするフランチャイズ訴訟の多くは、売り上げ予測が当たらなかったことによる損害の賠償を求めるものです。
彼らのような組織でさえ予測を誤るのに、彼らより調査能力も資本力も劣る私のような零細事務所を経営する者が、完璧な予測を立てることが出来るとは言えません。
また事業が軌道に乗っても環境が少し変化するだけで、業績はあっという間に悪くなります。
技術革新などで産業そのものが消滅してしまうケースもあります。
例を上げるとデジタルカメラの普及で写真のフィルムの需要が全く無くなってしまい、その結果としてフィルム製造をしていたコダック社が破綻しました。
それまではコダック社といえばフィルムの製造で莫大な利益を上げておりアメリカを象徴するような巨大企業です。
このような巨大企業ですら環境が変わってしまうと経営が立ち行かなくなってしまいます。
世界最大手の会計事務所は一つの不祥事で消滅しました。
世界最大の会計事務所の一つだったアーサー・アンダーセンはアメリカのエンロン事件で一瞬で破綻しました。
現在は一つの不祥事で万単位の従業員が居るような巨大企業ですら持ちこたえられないケースもあります。
コンビニであればバイトテロで契約解除に追い込まれる感じでしょうか。
(ちょっと違う気がしますが、不祥事でダメになった点では同じですかね?)
仕事が好調な時ほど要注意です。
またコンビニであれば、競合店が出来た、近所の学校が移転した、自店の近くに新しく信号が出来て人の流れが変わった等の環境の変化で売り上げは簡単に落ちてしまいます。
また自店の売り上げが好調な場合は、自店の近隣に他のコンビニ等のライバル店が大量に開店してしまうこともあります。
コンビニなど店舗を構えるビジネスは、売り上げが好調であることは見ただけですぐに分かります。
好調な店舗がある場所は、そのエリアは利益が見込めると踏んだ他のお店や会社が続々と参入してきます。
その結果、業績の良かった店舗の売り上げは、あっという間に減少します。
自店の周囲に二軒もライバル店が開店すれば売り上げは簡単に半分以下になります。
士業も時代の流れに逆らうことはできない。
比較的、環境の変化に強そうな国家資格。
意外と法令の変化やITテクノロジーの発達に翻弄される仕事です。
これを行政書士に置き換えると、今まで独占できた業務が、他の資格や民間企業に解放されてしまうこともあります。
少し前の話ですが、自動車登録のOSSがありますね。
OSSというシステムを使うことで日本自動車販売協会連合会が報酬を得て、自動車登録業務ができるようになりました。
本来ならば業(仕事)として報酬を得ながら、提出する書類の作成は行政書士だけに認めれた独占業務でした。
しかし法令が変わり自販連も行政書士と共に自動車登録だけはすることが可能になっています。
最近では行政書士会も独自のOSSを展開して自販連に対抗しているみたいですね。
(自動車業務をやってないので詳しく分かりませんが。)
建設業許可申請も安泰とは言えない。
建設業許可で一番ハードな経営業務の管理責任者が削除され、許可申請自体も簡素化・電子化すると言われています。
こうなると今までのように建設業許可申請だけでは、食べていけない可能性もあります。
国土交通省の担当官は「行政書士さんの仕事が減るかもしれませんね」と言っていました。
この様な環境の変化はこちらの努力ではどうすることも出来ません。
どれほど精緻な事業計画を立てても計画の前提となる条件が崩れてしまっては、その計画はもはや役に立つことはありません。
事業を軌道に乗せるために必死にならなければいけない時があります。
必死になるからといって事業と心中するわけにも行きません。
仕事が駄目になった場合に、働ける場所や生活するための空間。
家族が会社員や公務員をしている場合だったら、連帯保証人になっていなければ事業が駄目になっても生活することができます。
自分に財産が無くても、家族にダメージが及ばない様ににしていれば、意外と何とかなりますよ。
このように逃げ道やプランBといったものを用意しておくことで、経営者は心の平安を手に入れることが出来ます
経営者が必死になってしまえば、見えるものも見えなくなってしまいます。
逃げ道を確保するということは、次の機会を確保することです。
最悪の結果になってもダメージを最小限にすることで、もう一度挑戦することが出来ます。
どんな悪役でもボスは自分だけの逃げ道を用意しています。
ドラマや小説、アニメでの如何なる物語でも、悪役は自分だけ使える逃げ道をちゃんと用意しています。
下っ端からすればひどい話です。
頭が残れば何度でも再起ができるからですね)
彼らを見習って、イザという時の最後の手段は必ず持っておいたほうが良いですよ。
今日もブログをご覧頂きまして、真にありがとうございます。
背水の陣は最後の手段です。

背水の陣は後がない状態です。
ネットの上では、独立したときに逃げ道を用意する事をお勧めしないという意見が非常に多いですね。
決断を先送りする大義名分でしかないと・・・
個人的な意見としては、先送りしても問題ないのなら独立自体しないほうが良いと思います。
思うことですが、その記事を書く自分の人生でも同じことを言えるのだろうかと。
他人事だから逃げ道や保険を用意している段階で失敗を想定した弱腰だと断言します。
はっきり言って、事業や独立することは失敗する確率は成功する可能性よりも高いです。
一時成功しても成功したがゆえに、足を引っ張られたりライバルが増えるなど事業環境は常に変化し続けます。
そんなサバイバルに何の備えもなく向かうのは自殺行為に他なりません。
背水の陣の気持ちを持つことはよろしいです。
マジで背水の陣を強いられる段階で貴方は詰んでいます。