元コンビニの店長がバイトに給料を支払っていた立場から、時給がアップしない原因について書きます。
時給が上がらない不満
多くの人は自分の時給が上がらない事に不満を抱きます。
実際問題として不満を抱かない人は居ないでしょう。
仕事を覚えたのに時給を上げてくれない。
何年も勤続しているのに新人アルバイトと数十円しか時給が変わらない!
珍しく時給を上げてくれたと思ったら・・・
単に最低賃金が上昇して上げざるを得なくなったとか。
アクセス解析でも「アルバイト 時給が上がらない」というキーワードで検索して来た方が少なくないです。
最低賃金の関係でイヤイヤ上げられた感が目一杯に伝わって来るのも何か嫌なものです。
バイトの時給が上がらない要因
とりあえず私が思いつく時給を上がらない事柄を箇条書きで掲載いたします。
・お給料をもらう立場と払う立場は、全く違うモチベーションが働いている
・経営者は人件費を増やしたくない。
・経営がギリギリだから、時給単価が上昇すると店が立ち行かなくなる。
・アルバイトが何も言ってこない。
・時給を上げなくても誰も辞める気配がない。
・経営者の個人的な好き嫌い。
アルバイト個人の能力や意欲は除外しました。
上の箇条書きからバイト個人の意欲などの要因は除外いたします。
何をもって優秀なであるかの評価は、経営者や管理者の考えによって異なります。
お店や会社が置かれている状況が分からない以上は、私にはそれについて考える事が出来ません。
ここでは能力や意欲に関係がない部分で時給が上がらない原因を論じていきます。
雇用者と被雇用者の立場の違い
お給料をもらう立場と払う立場は、全く違うモチベーションが働いています。
バイトや契約社員、正社員など被雇用者は給料日が待ち遠しいです。
逆に給料を払う立場だと、給料日は一番嫌な日です。
コンビニでも百万から二百万円からのお金が消えていくからです。
お給料貰う方は一人分です。
支払う側はスタッフ全員に支払わなければなりません。
事業における人件費の割合は大きいです。
ある程度の人員を抱える組織になると、給料やボーナスの支払いの原資を銀行などの金融機関からの融資で賄う必要が有ります。
ボーナス資金と納税資金は、金融機関との最初の取引であるケースが多いです。
もしかしたらコンビニでも複数店舗を経営しているオーナーさんでしたら、融資を受けている可能性は高いです。
アルバイトと経営者では給料に関する認識が正反対です。
時給を上げる体力がない。
会社やお店に金がないから、バイトの時給を上げられないケースです。
コンビニバイトの時給が仕事のわりに安いのは、これが原因です。
コンビニは一部地域を除いて最低賃金プラスαである事が多いです。
コンビニオーナーとて人の子です。
頑張っているアルバイトの子達に時給をアップしたい。
人件費が上昇すると店が赤字に転落する。
もしくは既に赤字である場合もあります。
経営が上手く行っていない所でバイトすると、能力の有無に関わらず時給は上がる事がありません。
人件費の減少分がお店の利益
次に店長としては出来る限り人件費を上昇させたくありません。
大抵の会社では年間で、使う人件費の予算を年度の初めには決まってます。
個人が経営するコンビニでは厳密な予算は立てていないと思いますが、それでも大まかに使える人件費は頭に入っています。
つまり予算と言う枠を超えてまで、アルバイトにお給料を払う事が出来ません。
当たり前と言えば当たり前の話です。
逆に予算を下回れば、人件費が浮いた分だけ利益になります。
過度に人件費を減らしすぎれば、現場力が低下してしまうので減らすにも限界がありますが、
店舗のQSC(お店のレベルを表す指標)を落とさないギリギリまでは、コストを減らしたいと考えるのが経営者という生き物です。
減少に成功して余った人件費は、会社の利益になります。
その利益はオーナーの給料や責任者の評価に繋がります。
管理する立場の人にとって、自分以外の取り分を減らすことで利益を手にします。
これもアルバイトの時給が上がりにくい原因の一つです。
バイトする場合は儲かってなさそうな会社や店で仕事することはお勧めしません。
仕事は暇で楽かも知れないけども、時給は上がらないし、最悪倒産してバイト代を踏み倒される可能性もあります。
誰も時給を上げてくれと言わない
バイトが時給を上げてくれと要求しないので、時給が上がらない場合です。
店長の立場としてバイトがバイト代に何も言ってこないと、給料に不満を持っていないと考えます。
もしくは給料に大きな不満がないかです。
基本的にコンビニオーナーが、スタッフに給料や時給の話題は振りません。
下手に突いて藪から蛇を出したくないからです。
一人でも時給を上げてしまえば、ほぼ全員の単価をアップする必要が出てきますので迂闊に言えないです。
一人だけ上げるのであれば、何とかなっても数十人単位になって来ると負担が大きいです。
時給を上げなくても誰も辞めない。
時給が上がらない原因として、給料額を上げなくても誰も辞める気配がない事があります。
経営者は別に時給を上げる必要性を感じませんので必然的に時給は上がりません。
店長にとっては理想的な状況ですね。
人の定着しないコロコロ従業員が変わる会社であれば、人を集めるために時給単価を上げる必要があります。
高校生や大学生などの学生アルバイトであれば、辞めてもスグに次の仕事は見つかります。
しかし中高年フリーターの方にとっては、今の仕事を無くすと簡単には見つかりません。
見つかっても人間関係が不利な状況からスタートになります。
最低限の社会保険などが入っている場合、中高年フリーターだと余計に辞めることが難しいです。
このような方たちの場合、悪い言い方をすると経営者から足元を見られて時給が安いままというケースも良くあります。
今の人手不足で正社員になりやすいと言うのは、新卒の学生か第二新卒、またはキャリアを積んだ人だけに適用されます。
それ以外の場合は、氷河期やリーマンショックの頃と大差ないのが現実です。
経営者の個人的な好き嫌い。
経営者や管理職が、アルバイトの事が個人的に嫌いだと時給は上がらないです。
仕事が出来ようとも優秀であろうとも、最低賃金が上がるなどの事由が無ければ絶対に時給単価が上がらないケースです。
人の評価はいい加減です。
好き嫌いで評価基準が変わってしまう事は良くあります。
お気に入りのスタッフには甘い基準で点を付けるけれども、
そうでない人には普通の基準、気に食わない人には厳格な基準で辛い点を付ける物です。
上司に嫌われたら職場で冷遇されます。
この場合は事情が許すのであれば、早期に退職して次の職場を探したほうが良いですね。
まとめ
アルバイトの時給が上がらない理由をツラツラと書いてみました。
会社の体力が無ければ絶対に最低賃金以上に給料は増えません。
また誰も時給アップを要求しなければ、店長は単価の見直しをすることもありません。
給料をもらう側と払う側は考えることが真逆であることも重要なポイントです。
人手不足が深刻な業界でなければ、時給が上がりにくいことも良くあります。
手っ取り早く時給単価を上げるには、給料の高い職場や仕事に変えるしかないと私は思います。
よほど居心地が良いなら話は別ですが。
給料を上げる気のない店長や管理者に交渉するよりも絶対に早いです。